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健康住宅を創作する上で大切なこととは?
こんにちは!
前回は“健康住宅とは何を持って言えるのか?”をテーマでお話しました。
今回は、“健康住宅を創作する上で大切なこと”についてご紹介していこうと思います。
健康住宅を創作する上で大切なことって?
これまでの記事の中で、浴室での脳卒中の発生率が高いとお伝えしてきました。
脳卒中が起こってしまうのは、浴室の床がタイルだったり、基礎断熱が施されていない
場所が多かったりする昔の家のつくりが要因の一つになっています。
(この記事を詳しく読む▹▹“脳卒中を1番多く発症するのは浴室・・・!?”)
つまり、健康住宅を創作する上で大切なのは断熱工法をしっかりと施すことであり、
特に浴室は十分な基礎断熱を行い、熱を逃がさないようにすることです。
その基準となるのが省エネルギー基準。省エネルギー基準は時代に合わせて変遷してきました。
建築の時期によって断熱の基準が違う?
省エネルギー基準ができるきっかけとなったのが、昭和54年に起きた石油危機。
その後、資源の有効利用とエネルギー使用の合理化を目的とした、省エネルギー法が公布されました。
省エネルギー法は4つの分野から構成され、その1つである住宅の断熱性能に関する基準として、
昭和55年に住宅の省エネルギー基準が定められました。省エネルギー基準には、住宅の外皮※1性能に
関する基準が定められ、地域によって断熱の有無が区別されていました。
そのため、温暖な鹿児島県や宮崎県では断熱材が不要だと考えられていたのです。
下の図をご覧ください。
図を見て分かるように断熱の厚さだけでも、時代によってこんなにも違いがあります。
また、水まわり環境の断熱も今ほど重要視されておらず、この時期に建築した住宅は水まわり部分の
断熱施工があまりなされていませんでした。その後、平成4年に新省エネルギー基準ができ、
現在のような水まわり環境に断熱性を採り入れたことで、水まわり環境の部分もしっかりと
断熱が出来るようになりました。また、これまでは冬の快適性だけを考えた家づくりでしたが、
新省エネルギー基準では冬だけでなく夏の快適性も考えた家づくりが行われるようになったのです。
その後、平成11年と改正ごとに基準が強化され、それ以降は外皮※1基準の水準に変わりはありませんが、
平成25年の省エネルギー基準以降は外皮※1性能基準に加え一次エネルギー費量基準も加わるなど、
時代とともに高性能住宅へと変化しているのです。
【注脚】
※1外皮とは、住宅の外周部分のことです。(例えば、外壁や屋根、窓などがそれに当たります。)
今回は、”健康住宅を創作する上で大切なこと”についてご紹介しました。
◆次回は断熱・健康住宅研究の第一人者である須貝先生より
” 鹿児島でリフォーム・リノベーションを検討する方たちへ伝えたいこと“をご紹介します。◆
【参考文献】
省エネ基準等.アキレス株式会社.
https://www.achilles-dannetu.jp/useful/energy-saving-standard/ (閲覧日:2019年4月19日)
高断熱の基礎知識.JFEロックファイバー株式会社.
http://www.jfe-rockfiber.co.jp/eco/danetsu/vol5/04.html (閲覧日:2019年4月19日)